「共に学ぶ会」の啓蒙と普及を担当する阿部副会長が隔月でお届けする企業事例通信。今回は、経営研究会で昨年「共に学ぶ会」の導入率が最も伸びた三重北経営研究会の事例です。導入率を期首42.9%から期末59.3%(16.4ポイントアップ)まで伸ばされた浪岡会長(本気の美肌・美髪サロン経営 浪岡栄千さん)が質問に答えてくださいました。
1. 経営研究会の特長と雰囲気
三重北経営研究会の業種構成は製造業が約2割、サービス業・建設業・小売業・卸・飲食・運輸・不動産など多岐にわたります。紹介者との絆が非常に強く、同業種間の情報交換が盛んな点が特徴です。2026年度で発足13年目、会員数は57名。理事メンバーは40代・50代が中心で、「すべてが学びに直結する」という視点を大切に運営されています。役割を任された際に責任者として高いリーダーシップを発揮する会員が多く、一人ひとりの学ぶ姿勢が会全体の団結力につながる、お互いを尊重し合う温かい会風です。
2. 会長を引き受けたときの状況
会長拝命当時は「共に学ぶ会」の導入状況を正確に把握できていませんでした。一方で『理念と経営』自体は多くの会員にとって身近な教材でした。そのような中、第二代会長の古市光明氏から「当時は導入率80%だった」と聞く機会があり、会長方針を策定するうえで真の現状把握の必要性を強く感じたといいます。
3. 導入率向上への決意
会長就任から3か月後、久しぶりに例会へ参加した会員の「会活動への参加は少ないですが、共に学ぶ会や13の徳目朝礼は実施していますよ」という一言をきっかけに、公式教材への視点が大きく変わりました。共通の公式教材を通じた対話が組織全体の学びへ広がる有効な取り組みと位置づけ、導入率の目標を80%(当時44.4%)に設定。「理念と経営」を活用した継続的な学びは、社員とともに同じ視点で課題解決や業績向上に取り組む重要な柱であり、会長方針「会員企業100%黒字化(学んだことを実行する)」の達成につながると考えたそうです。
また浪岡会長はトライアルの実行にあたり、愛媛へ出張して愛媛経営研究会の橘トライアル委員長を訪問。さらに橘委員長を三重北へ招いて会員に説明した結果、トライアル説明会に20名が参加し4名が入会しました。経営研究会を理解した上での入会のため、学ぶ意欲の高い経営者が参加しています。

4. 中間アンケートで見えた「見えない学び」
「共に学ぶ会は社員がいる企業で行うもの」という前提がある一方、一人経営や社員数の少ない会員はどのように学んでいるのか——。この疑問から三重北では中間アンケートを実施しました。選択肢にあえて「行っている(※一人で実施している場合を含む)」を設けたところ、「行っていない」3名、「行っている」22名、「たまに実施している」8名、「今後実施したい」3名という結果に。想像以上に多くの会員が前向きに取り組んでいる実態が明らかになりました。
この結果と創刊20周年・発足20周年を機に「理念と経営ディスカッション例会」を開催。「共に学ぶ会=社員向け」という固定概念を超え、経営者自身が誌面を手に取り、自らと向き合い経営を深める学びとして活用している会員が多く存在していた事実が見えてきました。
5. 変化のきっかけ
きっかけは、歴代会長が積み重ねてきた成果が改めて「可視化」されたことです。アンケート結果を理事会で共有したことで、経営者自身が学び続ける姿勢そのものが組織づくりの原点であるという共通認識が生まれました。数値目標だけでなく「続いている」事例が見えたことで、共に学ぶ会が特別なものではなく日常の経営実践の一部として受け止められるようになりました。

6. 導入企業の変化・評価
現在は委員会出席率が向上し、経営課題を話しやすい勉強会に近い雰囲気が整いつつあります。導入企業からは「社員同士で話ができるようになり、横のつながりが増した」「幹部が理念の重要性を理解し、社員も理解を示している」「後継者育成についても学びの多い時間になっている」といった声が寄せられています。一人で経営している会員からも「自分自身と向き合う時間が定期的に持てるようになった」という評価があり、組織の有無に関わらず経営者の成長を支える学びの場として機能しています。

導入率向上 7つのポイント
- 浪岡会長の「会員企業が全員業績向上できる会をつくりたい」という想いの強さ
- 橘委員長を何度も訪問し、入会トライアルを基本通り活用する
- 会員アンケートを実施するなど行動に移す
- 6名の歴代会長の参加率と人柄とサポート
- 支部運営の柔軟性、参加しやすい雰囲気づくり
- 理事会における情報共有と運営協力体制の構築
- 委員会参加率を上げる工夫
入会トライアルと共に学ぶ会の好事例として、ぜひ参考にして会の活性化につなげていただきたいと思います。次回は、僅差で導入率の伸び第2位だった岡山西経営研究会(堀会長)の好事例をお伝えします。
※2026年3月の全国幹部向けメール配信(企業事例通信)をもとに掲載しています。

